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デジタルの時代こそ紙が喜ばれる理由7つ

デジタルの時代こそ紙が喜ばれる理由7つ

こんにちは。カタログパートナーズの古川です。
最近、お客様から「WEBカタログってどうなの?」というご質問をよくいただきます。
WEBカタログ、デジタルカタログ、電子カタログ、eBookなど、いわゆる「カタログのデジタル化」には様々なメリットがあります。
閲覧性や検索性といったユーザーにとってのメリットはもちろんですが、発信する企業側にもメリットが見られます。
その第一にあげられるのが「頒布コスト」の削減です。
特にBtoC市場では頒布対象が不特定多数。印刷やデリバリーが不要なWEBカタログは利益率アップに直接つながります。
BtoBの分野でもカタログのデジタル化は進行中で、スマホやタブレットを活用した営業を積極的に行う企業が増えています。
しかしながら、デジタルカタログのみでサービスを展開している企業は実際のところ稀で、そこには必ず紙のカタログ・紙のメディアが介在します。
それは一体なぜでしょう?
今回のブログでは、世の中のデジタル化がこれほど進みながらも、紙のカタログが継続して使われている様々な理由をまとめてみました。

 

①WEBには答えが、紙メディアには問いかけが。

「WEBには答えが、紙メディアには問いかけがある」。これは、ある出版関係者が語った言葉です。
インターネットを開けば、私たちは求める答えにいとも簡単にたどりつきます。
それが紙のメディアだと、ページをペラペラめくりながらつい寄り道したり、思わぬところに目が止まったりと、いわゆる目移りします。
こうした「好奇心への問いかけ」がユーザーの新たな行動につながることがあります。
「あれがほしい」「これを調べたい」という明確な目的があるときはWEBの特性が重宝しますが、検索窓に打ち込むキーワードがまだ見えていないときは「紙メディア」が役立ちます。

 

②24時間365日、デスクに常駐する営業マン。

ある部品メーカーのカタログ担当者様が「私たちのカタログはデスクに立たないといけない!」と力説されていました。
自立できるほど「厚み」のある、存在感のあるカタログを作ってほしいとのこと。
確かに、ユーザーのデスクに24時間365日そびえ立ち、毎日の仕事に欠かせないバイブルのような存在になることができれば、勝負はついたようなものですよね。
ユーザーの視界に常に居座り続けるにはやはり、有形のカタログでなければなりません。
お客様にとって紙のカタログは、いざという時そばにいて、すぐに助けてくれる優秀な営業マンなのです。

 

③印刷だから表現できる、本来のプロダクトカラー。

カタログに掲載されている商品は、企業が時間とコストをかけて産み落とした、いわば大事な子どもたち。
できることなら商品本来の色やカタチを、カタログにも忠実に再現したいものです。
これがWEBカタログやデジタルカタログだと、お客様が利用されている端末やディスプレイの設定によって、プロダクトの見え方が大きく変わってしまうことがあります。
実際に届いた商品を見て「WEBで見た色と全然違う!」なんてことも。
その点、紙のカタログは発色や見栄えに徹底的にこだわることができます。
入稿後の色校正を念入りに行うのは、そういったトラブルを回避するためでもあるのです。

 

④日本人と紙の、ちょっと「特別」な関係。

「日本のビジネスマンは無類の手帳好き」というのをご存知ですか?
年末になると書店に手帳がずらりと並び、手帳を物色するサラリーマンの姿が見られます。
しかし欧米ではスケジュール管理のデジタル化がどんどん浸透しており、紙の手帳は使われなくなってきているようです。
これは日本がデジタル化の波に乗り遅れているということなのでしょうか?いいえ、違います。
これには、紙に対する日本人特有の想いがあると言われています。
たとえば名刺。日本人は名刺を相手の「顔」としてとらえるので、向きを気にしたり、文字に触れないように渡したりと気を遣います。
海外の名刺事情にはそういった文化はなく、相手の名刺に平気でメモを書き加えたり、ときにはもう会わないからといってポイっと捨てたり…。
また、折り紙や障子紙など、日本特有の繊細な「ペーパークラフト文化」が根付いていることを手帳人気の理由にあげる方もいらっしゃいます。
その他、「漢字」という表現が短い単語でたくさんの情報量を伝えられることから、スペースに制約のある紙というフィールドに適しているという説もあります。
こういった説を聞くと、日本人にはやっぱり紙が向いているという気になりませんか?
紙の教科書で一生懸命勉強をしてきた私たち日本人の脳は、今のところ「紙メディア」に最適化しているのかもしれませんね。

 

⑤メモを書き込んだり、付箋を貼ったり。

私たちが手掛けたカタログに、お客様が色とりどりの付箋を貼りつけていたり、紙面にたくさんの書き込みをしていたりするのを見ると、つい嬉しくなってしまいます。
何年も前に制作したカタログが、ボロボロの状態でデスクに置いてあったりすると、愛おしくなります。
カタログを、愛着を持って、じっくり何度も使ってくださっているんだなって。
紙のカタログは、特にBtoBユースの場合、単なる商品購買のメニューとしてだけでなく、業務遂行上の営業資料として使用するケースが多々あります。
お客様に永く使っていただくことで、優良見込み客を育てることにもつながります。
書き込んだり、貼りつけたり、ときには折ったり、切り取ったり…。
こうした使い方は形のある紙のカタログにしかできないものです。

 

⑥紙には紙の「検索性」がある。

冒頭でも触れた通り、WEBカタログの最大の利点は、探したい商品を絞り込むことができる「検索性」です。
膨大な情報量の中から欲しい情報に素早く辿り着くことができるのはデジタルのなせる技。
では、紙のカタログは検索性が低いのかというと、決してそうでもありません。
商品の機能や色柄、利用者の目的に準じた多彩なインデックスデザインを設置することで、検索速度を大幅に向上することができます。
あと、紙のカタログをひらくとき、「あのページのあの辺りにあった商品」という感覚で目当てのアイテムを探すことはありませんか。
こうした「三次元的な記憶」は脳に深く刻まれるそうです。
キーワードではなく、本の厚みやレイアウトの位置を頼りに瞬間的に情報に辿り着くことができるのは、紙のカタログの大きな利点のひとつです。

 

⑦ひろげる・めくる・見比べる。

最後はシンプルに、紙のカタログの「使いやすさ」「見やすさ」について検証したいと思います。
WEBと紙それぞれに良し悪しがあり、例えば電子書籍と本・雑誌との違いを想像していただくと早いかもしれません。
電子書籍の良い点は、本来なら分厚い書籍をタブレットやスマートフォンに何冊も収納でき、持ち歩いていつでも読める点です。
また液晶表示なので、暗い場所でも読むことができます。
このように「利便性」では大変優れている電子書籍ですが、「閲覧性」という点ではどうでしょうか。
基本的に電子書籍は、端末を使って個人で閲覧することが大前提となっています。
たとえば雑誌をひらいて、みんなで囲んで話をするとか、お気に入りの本を回し読みするとか、そういった共有を要する行為にデジタルは不向きです。
BtoBカタログの使用用途を考えてみると、複数のスタッフで同時に閲覧するケースは実際のところ多いのではないでしょうか。
カタログを何冊も会議室に持ち込んで、仲間と一緒に、ひろげる・めくる・見くらべる。
たくさんの意見やアイデアがそこから生まれてきそうですよね。

 

デジタルの時代こそ紙が喜ばれる理由7つ・まとめ

まとめとして、私が毎年楽しみにしている「IKEAカタログ」の話をします。
IKEAは今、毎年8月に発刊する紙のカタログのほかに、アプリカタログやinstagramカタログといったデジタルコミュニケーションツールも配信しています。
それでもIKEAは「紙のカタログ」を重視する姿勢を崩すことなく、2017年版のカタログは34言語に翻訳され、世界48か国に2億1100万部を発行しました。
なんとマーケティング予算の三分の二以上を毎年カタログ制作に投入しているとか。
我々ファンにとっても、IKEAのカタログといえばやっぱり紙なんですよね。
この心理の中に、私たちが有形のカタログを作るときに大切にすべきヒントが隠されているような気がします。
ちなみに以下は、紙のカタログがいかに見やすいかを、アップルのパロディでうたったIKEAの動画です。

企業が紙メディアに内在する「ブランド構築」というポテンシャルをどこまで理解し、コストをどこまで投入できるか。
少なくとも、メディアのデジタル化が進行する一方、今後も紙のカタログ・形のあるカタログが存在し続けるということだけは間違いなさそうです。

 

筆者プロフィール

古川弘樹/クリエイティブディレクター
理系の大学から広告関係の専門学校へ転身。卒業後は東京・名古屋の広告プロダクションを経て、2005年にアドパブリシテイ入社。ディレクター・コピーライターとして様々なクライアントの販促物制作・プレゼンテーションを担当。趣味は釣り・筋トレ・ラグビー観戦。

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