カタログ担当者が最初にやる3C分析とは
カタログづくり。まずは何から?
「次の展示会までに、新商品カタログと総合カタログの改訂版を用意すること!」
営業会議でいきなり、上層部からこんなミッションが下りてきたら、あなたはどうしますか?
「りょ、了解しました…。まずは予算と、スケジュールを組んでみます…」
この手の案件は、販売促進部やマーケティング部の方にとってはお手のものかもしれません。
過去の経歴を紐解けば、予算がどれほど必要か、作業時間はどれ位かかるか、業者はどこに依頼すればいいか、ある程度の目途は立つでしょう。
しかしながら、販促やマーケの専門部署が存在するのは、実際はほんの一部の企業だけ。
営業部や開発部が実務と並行してカタログを作っている中小企業がまだまだ多いのです。
また、「販売促進」「マーケティング」という名称がついていながらも、営業からの依頼案件を遂行するだけの「営業支援」に留まっている部署も少なくありません。
このあたりが、“日本のBtoB企業の最大の弱点はマーケティング”と言われるゆえんです。
私たちカタログパートナーズの新規のお客様の中にも、「初めてカタログの担当者になった」という方が大勢いらっしゃいます。
一体何から手を付ければいいかわからないまま、藁にもすがる思いでお問い合わせくださるお客様も。
実務に追われる中で、カタログ制作に費やすための時間をなんとか捻出する日々。
そんなお客様のために、私たちカタログパートナーズは万全の体制で、より効果の高いカタログづくりをサポートいたします。
「3C分析」で効果の出るカタログを。
本来ならば、カタログ制作は片手間でできるような業務ではありません。
効果の出るカタログをつくるためには、ターゲット設定、競合分析、商品特長の洗い出しなど、まさに「マーケティング」の段階から踏み込む必要があるのです。
そんなときに役立つマーケティングプロセスのひとつに「3C分析」というものがあります。
3C分析とは「顧客:Customer」「競合:Competitor」「自社:Company」の3つのCを分析し、マーケティング戦略やビジネス戦略の検討材料を導き出す作業です。
今回のブログでは、カタログづくりにも「3C分析」のプロセスが非常に有効であることをお伝えしたいと思います。
第一に「顧客:Customer」を知る。
まずはカタログを見てもらいたいターゲット、つまり「顧客:Customer」の検証からはじめます。
顧客を知ることは、市場そのものを知ることと同じ。だから決して普遍的ではありません。
常に変化する市場の中で、ターゲットがこのタイミングで求めているものは何か、今のビジネス環境の中で目を引くものは何かを考えながら、適正なページデザイン、ページ構成、そして顧客の需要を満たすコンテンツや商品ラインナップを組み立てていきます。
またマーケティングの世界では、企業にとっての理想の顧客像を「ペルソナ」と呼びます。
ペルソナが日々何を考え、どんな行動をしているかを分析するほど、カタログの訴求ポイントが鮮明になっていきます。
こうしてコンセプトメイクをしっかり行い、単なる営業メニューではなく、「販促ツール」としての役割を果たす商品カタログを作成しましょう。
第二に「競合:Competitor」を知る。
第二にすべきことは、同業他社の分析です。
カタログを作成する際は、競合となる他社商品のカタログを出来る限り集めてください。
それは単に参考や模倣するわけではなく、競合が何を打ち出し、どんな結果を出しているかを探るための情報源として活用します。
また、他社のカタログを分析すると、どんな顧客に向けてアピールしているのかも見えてきます。
そのとき自社は同じ顧客層に向けて挑んでいくのか、隙間を縫ってニッチを狙うのか、こうした判断を行うことも重要です。
あと、一つの商品を売るのにどれくらいのコストをかけているのかもイメージがつきます。
特にカタログのページ数は大きな目安になるでしょう。
現代は、多様な情報を容易に手にすることができる時代です。
消費者は常にライバル企業と比較検討してから購買にいたっていることを忘れないでください。
第三に「自社:Company」を知る。
競合分析を精緻に行っていくと、「あの商品には負けられない!」「ここを狙えば勝てる!」といった具合に、自社商品のポジショニングが明確になってきます。
そこで大切なのは、自社商品の「強み」「弱み」をはっきりとさせることです。
自社商品を正しく理解することで、より精度の高いカタログ作成が可能になりますし、カタログ制作を通じてセールスそのもののヒントが見えてくることもあるのです。
場合によっては商品やスペックの見直しを行ってもよいかもしれません。
これって、まさにマーケティングですよね。
また、自社が市場のどの位置に立つべきか、どこで勝負していくかを、制作スタッフ全員が認識して作成に当たることも重要です。
商品の武器が何なのかが曖昧なまま作られたカタログでは、おそらく読み手にもその商品の魅力が伝わることはないでしょう。
カタログ担当者が最初にやる3C分析とは・まとめ
カタログは、強みがしっかりと洗い出された自社商品を、競合商品の中に埋もれさせず、ペルソナに着実に届けるための営業支援ツールです。
今回ご紹介した「3C分析」が、確かな効果を上げるカタログを作成する上で非常に有効な手段であることがわかっていただけましたでしょうか。
カタログパートナーズでは今後も、これまでの制作キャリアの中で培ってきたカタログ制作のノウハウ、カタログの付加価値を高めていく様々な情報を随時公開していきますので、ぜひお見逃しなく。
プロフィール
古川弘樹/クリエイティブディレクター
理系の大学から広告関係の専門学校へ転身。卒業後は東京・名古屋の広告プロダクションを経て、2005年にアドパブリシテイ入社。ディレクター・コピーライターとして様々なクライアントの販促物制作・プレゼンテーションを担当。趣味は釣り・筋トレ・ラグビー観戦。